人間に例えると。
海は『武士』でそらは『キャバ嬢』。
海は自分より『格上』と思った相手にしか、愛情を持ちません。
主をひたすら敬愛する武士のようです。
漢の中の女。
そらは自分を『愛してくれる存在』なら誰にでも愛情を振りまきます。
シャンパンタワーを求める夜の蝶といった感じ。
異性にモテる女。
だから海は女性に好かれ、そらは男性に好かれる。
そんな両極端な彼女たち。
自分たち以外の生き物に対してはどうかというと、そらの方が愛情深い。
寅吉の健康チェックをするたび、そらは飛んできます。
最初は寅吉を獲物と思っているかと思いきや、そうではなく。
純粋に寅吉を心配しているようです。
そもそも『目つき』が違う。
そらが寅吉を見つめる目は、慈しみが入っている。
まるで自分の子供を見るかのような目つきです。
そらは避妊しているので、子供は産めません。
でも、母性本能は目覚めている模様。
寅吉に対し、如何なく発揮されております。
歴代のエキゾチックアニマルたちは、そらの洗礼を受けました。
寅之助は追いかけまわされ、小雪は舐めまわされました。
寅吉は歴代のエキゾチックアニマルに比べれば、そらの被害は少ない。
でもガン見されるので、常に毛布をかぶせていないとダメ。
ガン見はハムのストレスになります。
ストレスはハムの短命につながり、寅吉を不幸にするだけ。
新居でも寅吉は『毛布の世界』の住人です。

俺は見世物じゃねえ!

いつまでも見つめていたいの……
そらはエキゾチックアニマルを『守るべき存在』と認識しているらしい。
彼らが脱走をしても、そらはちゃんと居場所を知っている。
小雪が脱走した時も『小雪はどこ?』とそらに尋ねると、居場所を教えてくれました。
そらはエキゾチックアニマルの母ちゃんです。
そして彼らが死ぬと、必ず『お別れ』をします。
寅之助も小雪もそらは見送りました。
そらは『死』を理解しているらしく、必ず『お別れ』をします。
だから犬飼は、寅之助の時も小雪の時もそらに『お別れ』をさせました。
そらは尻尾を振りながら、見送ります。
まるで『また会える』と信じているかのように。
そして遺骨になって帰ってきた時も、そらに会わせます。
遺骨になった彼らを見て、そらは『帰ってきた!』と大喜び。
犬飼が供養している時は、いつも傍にいます。
そらは虹の橋を渡ったあとも、彼らの母ちゃん。
決して揺らぎません。
人はそれを『愛』と呼ぶでしょう。
種族なんて関係ない。
そらにとって寅之助や小雪や寅吉は、自分の大切な子供。
いつまでも慈しみ続ける。
虹の橋を渡ったあとも。
そらは小さな生き物の『母ちゃん』なのです。
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