海そらフィルハーモニー交響楽団

ペット 犬

ベチャベチャ雪で外に出られない夜。

部屋の中は静かで、
聞こえるのは小さな寝息だけ。

海とそらが、それぞれのクッションの上で丸くなっている。

しかも今日は、
完璧なシンクロワンモナイト。

そして――
イビキのハーモニー付き。

低音気味の「ぐぅ…」と、
少し軽めの「すぅ…」。

静かな二重奏に、思わず笑ってしまう。

クッションは別々なのに、
丸まり方はほとんど同じ。

距離も近すぎず、遠すぎず。
ちょうどいい。

ときどき海が、自分のイビキに驚いて顔を上げる。

「今の音、なに?」

そんな顔で一瞬止まり、
何も起きていないと分かると、また静かに丸くなる。

その繰り返しが、たまらなく愛おしい。

失明している海が、
こんなふうに深く眠れていること。

それだけで、十分だ。

そらはまったく動じない。

隣でマイペースに、
演奏を続けている。

特別な出来事はない。

ただ、クッションの上で眠るふたりのイビキを聞きながら、
私はキーボードを打っている。

この時間が、いちばん贅沢なのかもしれない。

今日も丸くなって眠ってくれてありがとう。

明日もまた、
このハーモニーが聞けますように。

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