ツルっとしたものが食べたい日だった。
迷わずうどんを茹でた。
具なし。たれにつけるシンプルなやつ。
湯気の立つ白いうどん。
よし、いただきます。
箸を持った瞬間。
……静かすぎる。
左を見るとそら。
じっと見ている。声は出さない。
「もらえますよね?」の圧。
右を見ると海。
耳がぴーん。完全にロックオン。
左右から挟み撃ち。
私の昼ごはんは包囲された。
今回のうどんは無味。
たれは別皿。つまり塩分なし。
一本くらいなら問題はない。
そう思った時点で負けである。
まずは海に一本、献上。
耳ぴーんのまま一瞬で処理。
仕事が早い。
次はそら。同じく一本。
静かに受け取りゆっくりもぐもぐ。
堪能タイプ。
その後。
追加要求なし。
追撃もなし。
ふたりとも納得。
さっきまでの熱量はどこへ。
もう私には興味がない。
私は静かにうどんをすする。
目で落とすそら。
耳で狙う海。
やり方は違う。でもゴールは同じ。
今日も我が家は、一本のうどんで和解する。

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