寅之助の命日

ペット 犬

犬飼の買っているペットで最初に亡くなった寅之助。

この子は悲劇としか言いようがありませんでした。

最初は健康に問題がなかったのですが、のちに心臓病が発覚。

そのまま虹の橋を渡ってしまいました。

愛嬌のある、かわいい子でした。

バナナが大好きで、眠気よりバナナを優先するハム。

大きさもあり、適度に触らせてくれました。

本当に、本当にいい子だったのです。

病気知らずだったので、ある日ぐったりしている姿にびっくり。

病院に連れて行った時点で『聴診器に当ててショック死するかもしれない』と言われました。

命がけの診察で、心臓が弱っていると発見。

強心剤を打ちました。

あとは酸素室をレンタルしようとあくせくしているうちに、いつの間にか虹の橋を渡っていました。

悔しかったです。

先生はこの心臓で11か月は素晴らしいと言って下さいましたが……。

それでも私が殺したようなものです。

もっと早く気づいてやれば。

のんきに初めてのハムスターと喜んでいたのが、愚かでした。

もう飼うものか。

そう思ったのに。

寅之助の49日に夢を見ました。

寅之助が虹の橋の向こう側から走ってきたのです。

その夢を見てから、何となくハムコーナーを見るようになりました。

でもなかなか納得のいく子が見つからず。

ただの夢かと思ったら、寅吉に会いました。

寅吉が生まれたのが、寅之助の命日と同じ月。

何よりも最初に見た瞬間に『おかえり』と思ったのです。

そしてお迎え。

寅吉と命名しました。

寅吉は元気です。

心臓の病気もなく、無事に11か月を乗り越えました。

ありがとう、寅之助・寅吉。

君たちは最高のハムだ。

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