今日はなんでもない、とても平和な日。
そらが私の膝を狙ってくる。
膝枕をしてほしいらしい。でも目は合わせない。ちらっとこちらを見たかと思えば、すぐに知らんぷりをする。甘えたいくせに、自分からは来ない。プライドの高い甘えん坊だ。
一方の海は、膝枕は求めない。その代わり、無言の圧をかけてくる。撫でるよね? という静かな主張。視力がないぶん、触れていることが安心につながるのだと思う。気配を頼りに、すっと距離を詰めてくる。
そらが知らんぷりを続けている間に、海が近づいてきた。
そして、気づけばそらは圧に耐えきれず撤退。にぎやかに奪いにいくのではなく、静かに居場所を確保する海の勝利だ。
その後、海は私のお尻に自分のお尻をぴとっとくっつけてご満悦。膝ではなく、お尻。ランナーの膝は大事だと、わかっているのかいないのか。体温がじんわり伝わってきて、それだけで部屋の空気がやわらぐ。
そらは少し離れた場所から様子をうかがっている。
今は譲ったけれど、きっとまた隙を見てやってくるだろう。
犬たちのこういう小さな駆け引きは、毎日の中のささやかなドラマだ。誰かが大声を出すわけでもない。けれど、ちゃんと感情が動いている。甘えたい、触れていたい、ここにいたい。そんな気持ちが静かに交差している。
外は雪。走りに行こうと思えば行けるけれど、今日はこのぬくもりを優先するのも悪くない。
特別な出来事は何もない。
こういう日が積み重なって、きっと「幸せだったな」と思い出す日になるのだと思う。
そんな平和な一日。

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