我が家にはミニチュアダックスフンドが2匹いる。海とそらだ。
犬と暮らしていると、ときどき「この子たち、本当に獣だったよね?」と思う瞬間がある。
今日の午後もそうだった。
時計を見ると14時52分。
人間にとっては中途半端な時間だが、そらにとってはどうやら昼寝の時間らしい。
そらは私のところへやって来ると、そっと頭を押しつけてきた。
強くはない。遠慮がちな頭突きである。
この行動には意味がある。
「布団を出してください」という要求だ。
犬は言葉を話さないが、長く一緒に暮らしていると、こういう小さな合図で何を言いたいのか分かるようになる。
目線や仕草、ほんの少しの動きで、彼らはちゃんと意思を伝えてくる。
そらの頭突きも、最初は何をしているのか分からなかった。
けれど何度も同じ行動を見ているうちに、「ああ、これは布団の要求なのだ」と理解するようになった。
仕方なく布団を出すと、そらは満足そうに潜り込んだ。
ダックスフンドはもともと穴にもぐる猟犬である。
地面の穴に潜って獲物を追いかけるために作られた犬だ。
そう考えると、布団の中が好きなのも納得できる。
暗くて暖かくて、体をすっぽり包んでくれる場所なのだから。
しばらくすると、布団の中が暑くなったのか、そらは外に出てきた。
そしてそのまま、ぽんぽんぺろーん。
お腹を上にして、完全に無防備な姿で横たわっている。
手はくにゃりと曲がり、足はだらりと伸びている。
さっきまで布団を要求していた犬とは思えない、なんとも平和な姿だ。
ふと横を見ると、海もいる。
こちらは布団の横で完全脱力して床に落ちている。
そらは布団の上でぽんぽんぺろーん。
海はその横で脱力。
午後の我が家には、静かな昼寝の時間が流れていた。
犬というのは本来、警戒心の強い生き物のはずだ。
それなのに、お腹という一番大事な場所をさらけ出して眠っている。
それだけ、この家が安心できる場所なのだろう。
私はその光景を眺めながら、思わず写真を撮った。
それにしても、猟犬だったはずのダックスフンドが、布団の上でお腹を出して昼寝をしている。
どうやら今日も、わが家では
獣の本能が逃げ出した午後なのであった。

コメント